「元SEだとロジカルシンキングが足りないことが多いんだよね」、「まだ事業会社にいたころの考え方抜けていないね」
私はよくITコンサルになった後も、資料作成の時にロジカルシンキングが不足していることを指摘されていました。ITコンサルとして活躍するためには、ロジカルシンキングが必須です。
この記事では、ITコンサルで必要なロジカルシンキングがなぜSEだと不足してしまうのか、私のSE時代の経験をもとに私の考えを記載しています。SEの方は確かにと納得していただけるかなと思います。ITコンサルへの転職を検討している方がいれば参考になれば幸いです。
※ちなみに、私がSEこそITコンサルに転職すべきと考える理由は以下に記載しています。
【結論】SEはロジカルシンキングに慣れていない
SEからITコンサルに転職する際、私はロジカルシンキングが不足していることを感じました。他のIT系のスキルはSEでの経験から問題ないと感じたのですが、ITコンサルとして必要なロジカルシンキングのスキルは、SEの時の課題解決力や提案力よりもさらに高いレベルで求められ、最初はそのギャップに驚かされました。コンサルとして資料作成や提案を行う際に顧客への論理的に説明する能力は、SE時代には意識できていなかったのだと痛感しました。
【理由】コンサルとSEで求められる役割が違うから
SEがロジカルシンキングに慣れていないのは、ITコンサルと求められる役割が大きく異なるからだと考えています。SEは主にシステムを開発するための下請けベンダーの管理やITの技術的な観点での議論を顧客と行います。プロジェクトの進行管理や技術面でのリーダーシップが求められることはあっても、情報を整理し、論理的に他者に説明するという役割はITコンサルに比べるとまだまだだと感じました。ITコンサルは特に顧客に対して説明する資料や提案書が主なアウトプットになるため、SE時代には経験しなかった、論点の構造化や課題設定、提案書作成のスキルが必要になりました。
SEはロジカルシンキングが不足すると思った事例
パワーポイントで資料作成する機会があまりない
SEの時は、パワーポイントで資料を作成することがITコンサルに比べると少なかったと感じます。ITコンサルは、パワーポイントで顧客に向けた提案資料や報告資料を作成する機会が非常に多く、その都度、論理的な構造やストーリー作りを意識しなければならないため、嫌でも鍛えられました。SEはそういった論点を議論するような資料は基本的にはその道の専門家である下請けのベンダーに作ってもらうためスキルがないのかなと思いました。SEだと自分で何かをするというより、下請けベンダーの管理がメインになるのでその人たちがしっかり検討できるような管理をする役割が強いです。
エクセル資料の作成の方が作成機会が多いかもしれない
SE時代はエクセルでWBS作成や課題一覧等をする方がパワーポイント資料より多かったと思います。細かいタスク管理等はエクセルの方が使いやすく、そういった細かい管理が多かったため、エクセルを駆使していました。このスキルはITコンサルに転職後も非常に役立っていますが、エクセル資料はどちらかというと情報を整理し、管理するためのツールに過ぎません。ITコンサルは、そこから何が言えるかが重要で、課題が発生しているから原因やその打ち手を検討して、顧客にどのように伝えるべきかを考える力が求められます。つまり、エクセルの資料はどんなに整理されていても、必ずしも相手に納得してもらえるとは限らないということです。
強いて言うなら提案書は作っていたが、指摘のレベルが低い
SE時代、提案書や報告書を作成することはありましたが、そもそも資料が構造化されていないや論点の解像度が粗いといった指摘は全然されてきませんでした。今回の資料の論点は何かをもっとシャープにしないと議論が発散してしまうといったレビューをされた記憶がないです。おそらく、SEにはそういう指摘ができる能力のある人が少ないのだと思います。リード文の重要性くらいは指摘されたことがありましたが、ボディ部分とリード文の関連がロジカルではないという指摘を明確にされたことがないです。しかし、ITコンサルとしては、提案書を作成する際に、顧客に対してどれだけ納得してもらえるかが重要です。そのためには、提案内容がどれだけ論理的に構造化されているかが問われます。上司からも、資料の論点が曖昧だったり、構造化されていないと厳しく指摘されることが多く、最初はその指摘のレベルに驚きました。
まとめ
SEからITコンサルに転職して分かったことは、ロジカルシンキングができていないとコンサルタントとしては成り立たないということです。ITコンサルでは、顧客に対して提案をする際、資料作成や進捗管理を行う際、常にロジカルな思考が求められます。SE時代に求められていたスキルとは異なるということが伝わればと思います。この記事がキャリア選択の参考になれば幸いです。
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