【SEとITコンサルの違い】よく使う用語の違いから解説

SE時代のコト

「SEからITコンサルに転職したら、聞いたことのない用語ばかりで戸惑った」
「逆に、SEのときに頻繁に使っていた言葉を全然使わなくなった」
「SEの時こんな単語全然使っていなかったんだけどなあ」
「SEの時全然使っていなかった単語だけどめちゃくちゃ重要じゃん」

やっぱり会社や職種が変わると様々なことが変わることは誰でも簡単にイメージがつくかと思います。その中でも、SEからITコンサルに転職するにあたり、使う用語も変わってきていたことを感じ、私自身面白いと感じました。これは単なる言葉の問題ではなく、役割や思考の違いを象徴していることに気づきました。

この記事では、SE時代によく使っていたけれどITコンサルではほとんど使わなくなった用語やその逆でSE時代に全く使っていなかったけど、ITコンサルになってよく使う用語を具体例とともに紹介します。用語の違いから仕事内容の違いが見えてきて面白いですので参考になれば幸いです。

ちなみに、ITコンサルとSEの仕事内容の違いは以下の記事にまとめていますので、もし興味があれば覗いてみてください。


SEとITコンサルでは使う用語に明確な違いがある

SEとITコンサルでは、同じシステム導入のプロジェクトに参画していても、よく使う用語に違いがあることに気づきました。SEで当たり前に使っていた言葉を、ITコンサルになってからはほとんど使わなくくなっていたのです。それは役割の違いから来ていることに気づきました。


それぞれの役割の特徴の違いがある

では、なぜ用語が変わるのでしょうか?答えはシンプルで、SEとITコンサルでは「役割」が違うからです。

  • SEは、システムを実装するために、「作る」「設計する」「実現する」ことが役割
  • ITコンサルは、課題を解決するために、「考える」「提案する」「導く」ことが役割

その結果、SEはより実装や工程管理に近い言葉を使うし、ITコンサルは意思決定や問題解決を支援する言葉を使うようになります。私自身、SEからITコンサルに転職したときには、ITコンサルに転職してきて出会った言葉は気に留めていましたが、使わなくなってしまった言葉もあることに気づき、またその理由を感じて、面白いなと思いました。


SEの時によく使っていた単語

まずはSEの時によく使っていたがITコンサルに転職してあまり使わなくなった用語を紹介します。

具体的な用語

ここからは、私がSE時代によく使っていたのに、ITコンサルに転職してからはほとんど使わなくなった用語を具体的に紹介します。


非機能

SE時代は、「非機能要件は顧客と詰めた?」「非機能チーム今忙しそう?」のような感じで用語としては使っていました。サーバー構築、ネットワーク設計、セキュリティ設計などをまとめて「非機能」と呼んでいました。しかし、ITコンサルでは、こういったインフラ構成の細部を議論することが役割にならないため、SEに任せていました。

オフショア開発

SE時代は、「この開発はオフショアでいける?」「オフショア開発を前提に見積もりしてみて」といった感じで用語として使っていました。開発工程を進める際に、プロジェクトの特性に合った開発手法を選ぶ必要があり、コスト面で優位性のあるオフショア開発のベンダーを使うことがありました。ITコンサルでは開発領域は手を出さないため用語としてもあまり使わなくなりました。

工数(人月/人日)

SE時代は、「この作業、何人月で見積もる?」「人月単価いくら?」といったような感じでよく、見積の際に使っていました。下請けベンダーの作業を詳細に見積もってWBSを作ることはSEの一丁目一番地のため、この用語を良く使っていました。ITコンサルでは、SEほど工数を積み上げて見積もりをするといった作業しないため用語としても使わなくなりました。


顧客先常駐

SE時代では、「顧客先常駐のため自社から打合せに出られません」といったような感じで使っていました。IT環境面やコミュニケーション観点等でプロジェクトルームが設けられており、下請けベンダーと共にそこで作業することが多かったです。ITコンサルでは、対面は大事だが、毎日張り付いて常駐というより定例の際に訪問していました。


えいや

SE時代では、あまり根拠はなくてもとりあえず作ってみるような意味合いで使っていました。「えいやで作業見積りする」といったような感じで使いますが、ITコンサルでは、そもそも根拠のないようなロジカルに説明できない資料は出せないため、「えいやで出す」という用語が使われなくなりました。


決めの問題

SE時代では、「これは決めの問題だね」といったような感じで使っていました。プロジェクトを進める際に、どちらでも同じような結果になるときめの問題としていました。しかし、ITコンサルでは、どちらでも同じというはある種の思考停止のため、決めの問題とせずに最後まで考え抜くことが基本のため、使われ無くなりました。

ITコンサルに転職してよく使うようになった用語

逆にITコンサルに転職してよく使う用意なった用語を紹介します。

コンサルは資料作成が命

SE時代とITコンサルの仕事を比べると、同じシステム導入のプロジェクトでも、役割や働き方が全く異なります。SEはシステム設計や開発に集中し、技術的な部分を担当することが多い一方、ITコンサルはより上流の資料作成が主な業務となります。

そのため、ITコンサルに転職して、資料作成を効率的に行い、品質を上げるための用語をたくさん使うようになりました。SE時代にはあまり意識しなかった用語が、コンサルになって頻繁に登場するので、違和感があったのと同時に面白いなと思いました。

ITコンサル用語5選

具体的にSE時代にはあまり使わなかったけど、ITコンサルになって使うようになった用語を紹介します。

論点

話の中心となる問題点、要点。

「論点」という単語は、ITコンサルでよく使われる単語の一つです。SE時代には、「問題点」や「課題」といった表現をよく使っていましたが、ITコンサルでは「論点」を使います。問題点の中でも特に解決すべきポイントを指しており、より精緻な議論が求められる際に使われます。

そのため、よく「論点の解像度が粗い」という風に「解像度」という単語とセットで使われます。上司から、論点の解像度が粗いから何を議論したいのかわからない、これだと議論が発散してしまう、というように指摘されます。ITコンサルだとそこまで踏み込んで検討が必要になるので、SEだと問題点として表現していましたが、ここが違うなと思いました。

壁打ち

元はテニスの練習で、人に話をすることで自分の考えを深める手法。

「壁打ち」という表現は、特に資料作成の際に使います。これは、単独で考えるのではなく、チームのメンバーと考えを共有し、フィードバックをもらうという意味で使います。SE時代にはあまり聞かなかった表現ですが、コンサルではよくやります。

自分一人で思考が詰まってしまったときに、壁打ちをすることで視点を広げることができます。このように、ITコンサルでは資料や提案を作成する過程で他のメンバーとのディスカッションが重要で、壁打ちを通じて資料のクオリティを高めることがあります。

TP(タッチポイント)

和訳すると、接点という意味

TPは「タッチポイント」の略で、顧客との会話のタイミングや打ち合わせを指します。SE時代には、単に「会議」や「レビュー」といった表現を使っていましたが、コンサルではTPという言い回しを使うことが増えました。

ITコンサルは、資料作成のスピード感が求められるため、簡単に資料を見てほしい場合やがっつり資料レビューしてほしい場合など様々な目的で、この言葉がよく使われます。コンサルの資料作成はクイックアンドダーティといって早さ重視で上司に見せる文化があるのでTPが多いのだと感じています。

期待値

関係者が期待する成果や基準。

「期待値」は、ITコンサルでは非常に重要な概念です。顧客から求められる成果や基準を指し、その調整が欠かせません。SE時代には、あまり意識していなかったことですが、コンサルとしては、顧客がどのような成果を期待しているのかを明確に理解し、それに応じた作業を進めることが求められます。

期待値を調整することで、クライアントとの認識のズレを防ぎ、プロジェクトの進行がスムーズになるので、よく「期待値調整」という単語で使われることが多いです。今回紹介する用語の中で最もSE時代に使っていなかった気がします・・・

認識

事実を理解し、意識している状態

ITコンサルでは、自分の認識をしっかりと伝えることが大切です。単に相手に質問するのではなく、まず自分の認識を伝えて、その上でこうすべきだと考えているという流れで議論を進めることが重要です。

「私はこう認識しているので、こうすべきだと思いますがどうですか?」というようにして議論するのがコンサルの基本の進め方です。SE時代には、単に相手の意見に従うことが多かったのですが、ITコンサルでは自分の認識をしっかり持ち、それを伝えることがプロフェッショナルとして求められます。

おまけ:コンサルは横文字が多い

特に外資系のコンサルでは、社内で英語が使われることが多いため、横文字の用語を使うことが多いです。コンサルが横文字が多く最初は慣れなかったです。

  • 社内メール
    →外資系企業では、社内メールで英語が使われます。しかし、英語と日本語が併記されている場合が多いため、英語が理解できなくても問題になることはありません。とわいえ、メールのタイトルが英語だったりするので、横文字用語を使う文化が浸透しています。
  • 部門業績資料
    →期末で部門内で振り返ったりする業績資料は、英語が使用されることがあります。これは、フォーマットが英語で毎年同じフォーマットを使っているからだと思います。しかし、グラフも併記されますし、説明は日本語なので、英語がわからなくても問題ありません。ただ、説明で売上→レベニュー、利益→プロフィットのように説明上日本語でも要所要所の単語は英語になるので横文字が多用されます。
  • 社内各種システム及びその説明書
    →社内で使用するシステムの多くは、グローバル基準で作られたものが多いため、システム自体が英語である場合やマニュアルが英語であることがあります。しかし、システムは設定で日本語に表記を変えることができますし、マニュアルも日本語併記されるので、英語を話せなくても支障は出ません。提出→サブミット、承認→アプルーブのように横文字で社内でも会話されることが多いです。

まとめ

SEとITコンサルでは使う用語に大きな違いがあるのは、役割や思考の違いから来ています。SEとITコンサルの違いを用語の観点から分析してみました。もしこの記事が何かキャリア選択の参考になれば幸いです。

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