「コンサルは、バリバリ仕事をするイメージだけど、仕事以外ではどんな感じなんだろう」
「会社の文化的にどういう人が多いんだろう」
「飲み会ってどんな感じなんだろう」
コンサルというと働いている姿はなんとなくイメージできると思うのですが、仕事以外の面をイメージするのは難しいのではないでしょうか。私は転職してから仕事面というより仕事以外の面で驚いたことがたくさんありました。
むしろ仕事以外の面で転職後のギャップを少なくした方が転職がうまくいくと思います。私みたいな、とくにSE出身者のコンサル未経験者がコンサルに転職すると「え、これ普通なの…?」と戸惑うようなことがあったため極力そういったことを減らせるとよいと考えています。
この記事では、私がSEからコンサルに転職して驚いた“文化”や“人”の違いを紹介します。転職前にはなかなか見えてこない「リアルな中の世界」を知ることで、コンサルが自分に合っているかの判断材料になれば幸いです。
ちなみに、仕事の面でSEからコンサルに転職して悩んだコンサルに必要なスキルについては、以下の記事にまとめていますので、もし興味があれば覗いてみてください。
文化:コンサルは文化が独特
まずは、文化の観点から違いを紹介します。特に文化の面で驚くことがたくさんありましたので、具体的に紹介できればと思います。やはりITコンサルに転職を考えている方でも、その会社の文化がどうなっているのかは中々わからないことだと思います。
日系SIerと外資系コンサルの違い
まずは、成果主義や年功序列、役割の明確さ、中途採用の比率などのお固い面から紹介します。細かい違いはあるのですが、その根幹となっているのは、実力主義かゆるっとできるかどうかの違いだと考えます。
というのも、コンサル業界、特に外資系の企業では、コンサル自身が会社の商品として扱われます。そのため、いかに実力のある人を評価できるかという文化になっています。そうしないと実力のある人は他社に簡単に移ってしまいます。
一方、日系SIerでは、まだ年功序列が色濃く残る企業が多く、勤続年数が評価されることが多く、実力主義のような雰囲気はないと思います。
違い | 外資系コンサル | 日系SIer |
---|---|---|
成果主義 vs 年功序列 | 成果が評価される。年齢や勤続年数に関係なく昇進が決まる。 | 年功序列が残り、年齢や勤続年数が昇進に影響。昇進には時間がかかる。 |
役割の明確さ vs 曖昧さ | 各自の役割が非常に明確で、責任範囲がはっきりしている。 | 上司から仕事を振られることが多く、役割が曖昧になることがある。 |
中途入社 vs 新卒中心 | 中途入社が多く、様々な業界経験を持つ人たちが集まり、多様性が高い。 | 新卒からの社員が多く、同じバックグラウンドを持つ人たちと働くことが多い。 |
成果主義 vs 年功序列
外資系コンサルは、成果主義が基本です。仕事の成果や結果がほぼまっとうに評価され、年齢や勤続年数に関係なく昇進が決まります。基本的にはプロジェクトの上司が評価してくれるので、評価内容も妥当ですし、レポートラインの上司もその評価に加わりますので、いろんな人からの評価が関係してくるため、客観的な評価を得ることができる仕組みになっています。
キャリア的にも上に上がれる人はそのまま上がっていきますが、上がれなくなったら必然的に転職を考える人が多いと思います。
逆に、日系のSIerでは、年功序列がまだ色濃く残っており、年齢や勤続年数が重要視されることが多いです。昇進するためには、上の人がいなくなるか上の人が上がってからじゃないと昇進できず、長い時間がかかる場合もあります。
役割の明確さ vs 曖昧さ
外資系コンサルでは、各自の役割が非常に明確です。例えば、プロジェクトにアサインされる際にも、自分のタイトル、職階に従ってアサインがされます。
また、プロジェクト内の仕事内容が非常に明確であるため、各メンバーの責任範囲がしっかりと定められています。とはいえ求められるのは、自分の職階の一つ上の職階の働きになるのでそこが大変です。
一方、日系SIerでは、役割が非常にあいまいです。いきなり上司が担当していた仕事を振られることもあり、その仕事が自分の役割を超えることもあります。年功序列の場合、できない上司が課長とかになってしまうので、役職と実力が伴っておらず、責任範囲があいまいになってしまうことが多かったと感じています。
中途入社 vs 新卒中心
外資系コンサルでは、中途入社が多く、色んなバックグラウンドを持った人が集まります。多様性が高く、様々な視点を持つ人たちと働くことができるため、とても面白いです。ただ、当然、入れ替わりが激しいということで、安定した終身雇用を望むのであれば向かないと思います。
一方、日系SIerでは、新卒からの一貫した社員が多い傾向にあります。そのため、同じようなバックグラウンドを持つ人たちと一緒に働くことが多く、場合によっては既存の慣習や過去の経験が重視されがちです。これが会社の外で通用するかは疑問で、ずっとその会社にいるのであればよいかもしれませんが、市場価値は低くなると思います。
ITコンサルは飲み会がスマート
転職を検討している方々の中には、転職先の「飲み会事情」について気になる方も多いのではないでしょうか。私自身も転職時、飲み会の頻度や雰囲気が気になっていた一人でした。実際、SE時代の飲み会とITコンサルでの飲み会には結構違いがありました。
ITコンサルでは飲み会がスマートです。というのも、飲み会費用は会社負担なので出さなくていいことがほとんど且つ一次会で解散できる雰囲気だからです。SE時代では、飲み会費用は基本的に自腹でしたし、二次会にも行く雰囲気でした。そのため、ITコンサルの方が飲み会に負担を感じないです。飲み会文化について心配している方でも、安心することができると思います。
飲み会自体も少ない
ITコンサルは忙しいので、あまり飲み会は開催されません。基本的に飲み会は、イベント的な歓送迎会や期末期初の部内のものが開催されます。突発的に発生するこじんまりと行く飲み会はあまり行われないです。やはり、定時後も作業時間という概念があるので、飲みに行くという思考にならないです。こじんまりと飲みに行こうとなる時はあらかじめ1,2週間前から調整されます。私は仕事関連の飲み会は、月に1〜2回程度かなと思います。
飲み会に関してのポイント
私の独断と偏見でITコンサルでの飲み会のポイントを列挙してみます。
仕事関連では月に1,2回程度
基本的には、プロジェクトの歓送迎会や期末期初に行われる部内の飲み会がメインです。そういった飲み会と残り突発的に発生する飲み会で、仕事に関連する飲み会は月に1〜2回程度かなと思います。SE時代と回数的にはそれほど変わらないかなといった感じです。
SEの時の方が大変
SE時代の方が飲み会は大変でした。飲み会好きの上司が多く、終電までの飲み会が多く、二次会、三次会・・・といったことがありました。途中で帰れますが、雰囲気的には遅くまでいた方が良いような感じでした。一方、ITコンサルでは、一次会でサクッと帰れる雰囲気なので、逆に飲み会のハードルが低くて行きやすいです。この点は、私にとっては非常に嬉しいポイントでした。
お店が豪華
ITコンサルの飲み会でびっくりしたのは、お店が豪華であることです。期末や期初の部内懇親会では、ホテルの宴会場で開催されることが多く、ビュッフェ形式の食事とともに飲み放題が提供されます。普段会えないいろんな人と話すことが多いので、中々飲んだり食べたりできませんが、こうした贅沢な会場での懇親会は新鮮で嬉しい驚きでした。SEの時にはなかったです。
費用がほとんどかからない
ITコンサルの飲み会での費用負担はほとんどありません。これが一番うれしい驚きでした。期末期初の部内懇親会は全額会社負担で開催されますし、こじんまりとした飲み会でも上司が全額支払ってくれることが多いです。こういったところはさすがコンサルだなと思いました。SE時代は飲み会は基本的に自腹でしたので、飲み会費用も痛い出費でした。
ん。当たり前のような感覚で大体会社の経費になってしまうのがコンサルすごいなと思いました。
- 期初・期末のイベント → 会社経費
- プロジェクト打ち上げやチーム飲み会 → 会社経費
- 少人数飲み → 上の人が払ってくれる
SE時代は「1次会・2次会・タクシー代…」と自腹だったので、飲み会費用が激減したのは本当に驚きで、予想外に良いギャップでした。
福利厚生がやたら豪華
意外と知られていませんが、コンサルファームの福利厚生はとても手厚いです。たとえば、私の勤務先では以下のようなものがあります。
- 期末のイベントをホテルの宴会場でビュッフェ形式
- 社員と家族向けにディズニー招待イベント(ホテル・夕食付き) ※このときは「みんな休もう」みたいな雰囲気すらある
激務な反面、リフレッシュや家族サービスの機会を会社がしっかり用意してくれているのはありがたいポイントです。よくある家賃補助のようなものはないのですが、そういった家族受けの良いものを用意してくれたりすると仕事頑張ろうという気持ちになります。
「アベイラブル期間」という謎の休暇
プロジェクトが終わってから次の案件に入るまでの期間を、コンサル業界では「アベイラブル期間」と呼びます。この期間は、休暇期間のような扱いなのにも関わらず、100%の給料が出ます。
転職前からアベイラブル期間というものがあることは知っていたのですが、都市伝説なのではないかと思っていました。もちろん毎回あるわけではなく、プロジェクト状況との兼ね合いによりますが、プロジェクトとプロジェクトの間に1か月リフレッシュ休暇を挟めるような感覚は、SE時代には考えられませんでした。
詳しくは以下に記載していますので、もし興味があれば覗いてみてください。

人:コンサルには個性的な人が多い
次に人の面から驚いたことを紹介します。まず前提としてお伝えしたいのは、コンサルには個性的で強烈な人が多いということです。特に職位が上がるほど、その傾向が強くなります。理由はシンプルで、年功序列ではなく完全な実力主義の世界だからです。成果を出せば若くても昇進し、年収も上がります。
「普通」ではないタイプが上に残っていく構造だからこそ、コンサルで生き残っている人は個性的な人が多いのだと感じています。SE時代にいた安定志向な人たちとは、かなり毛色が違います。
- コンサル:成果を出した人が評価される/転職も当たり前
- SE(特に日系SIer):年功序列/終身雇用的な空気感
そのため、集まってくる人のキャラクターや価値観が大きく異なります。ここからは、私が実際に「えっ?」と驚いた人たちを紹介します。
シニアマネージャー以上は“怪物クラス”
シニアマネージャー(いわゆる部長クラス相当)以上の方々は、とにかく頭の回転が速くてスキルも桁違いです。
- 上の人なのに現場レベルの人より一番解像度が高い
- そのうえ、全体を一瞬で俯瞰できる視点の広さ
- 資料作成も圧倒的に早い
正直、SE時代には出会ったことがないレベルの優秀な人たちだと転職してすぐに感じました。実力主義の環境だからこそ、30代半ばでシニアマネージャーになっている人も珍しくありません。こんな世界があるのだと、コンサルに転職してきて世界が広がりました。
新卒から残っている人がほぼいない
SE時代は、新卒からずっとこの会社で働いているという人が大半でした。ところがコンサルでは真逆な状況です。職位が上がるほど新卒入社で残っている人が激減します。新卒から働いている人がこんなにも少ないのだと驚いたことが印象に残っています。
それは、中途入社が当たり前である会社に新卒から入ることで、転職が当たり前の感覚が醸成されること、そもそもコンサルに新卒で入る人は起業等の独立も視野に入れられるほどスキルが高い人が多いことが理由として挙げられます。キャリアは“自分で切り開くもの”という考えが当たり前になっています。
コンサルあるあるといえばおすすめの1冊
今回は、私が感じたある意味で独断と偏見でお伝えしましたが、以下の本は私も”確かに”と思うようなことばかりでしたのでおすすめです。非常に面白くわかりやすいので、盛っているんじゃないかと思う部分もあるかと思いますが、コンサルの実態を把握するのに一番の本だと思います。
まとめ
今回は、SE出身の私がコンサルに転職して驚いた人と文化を紹介しました。これらは、業務内容だけでは見えてこないリアルな空気感かと思います。もちろん、感じ方は人それぞれですが、「業務以外の空気感が合うかどうか」も、転職を検討するうえで大切なポイントだと思います。この記事が、コンサルへの転職を考えている方の参考になればうれしいです!
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