「なんでコンサルって年収が高いのだろうか」「顧客に高い単価で発注してもらってる以外に何か仕組みがあるのかなあ」
ITコンサルティング業界への転職を検討している人の中で「なぜITコンサルは年収が高いのか?」という疑問を持っている人もいるかと思います。
この記事では、SIerでの経験も踏まえて、コンサルティングファームの仕組みの観点からITコンサルの年収が高い理由を探ってみました。単に顧客から高い単価を取っているから、というだけではなく、ITコンサルティングファーム独自のコスト削減戦略や、効率化の仕組みが年収を支える要因となっていると思いました。
【結論】コンサルティングファーム全体の不要なコストを最小限に抑えている
コンサルの年収が高い理由は、顧客から高い単価で発注されることに加え、不要なコストが徹底的に削減されているからです。コンサルティングファームでは、営業やバックオフィスの人員が最小限に抑えられています。主に「人件費」がコストの中心となっているコンサルティングファームでさえ、この人件費が最小になるような仕組みになっていることで、利益に繋がり最終的には高年収に還元されているのだと思いました。
直接売上に関わらない営業やバックオフィスが少ない
コンサルに転職してきて驚いたのが、コンサル自身が営業を行ったり、バックオフィスの人員が少ないなということです。SE時代に感じていた「営業やバックオフィスが多すぎる」といった点が、ITコンサルでは全く違う形で効率化されているのです。SIerは、営業やバックオフィス部門に多くの人員が関わっており、SEが頑張って案件を取ってきてもその人たちのコストがかかるため、利益がかなり少なくなるビジネスモデルでした。売上高利益率はコンサルと同等レベルで高くても営業利益率が低くなってしまい、最終的にはSEの給与があまり上がらないという風になっていると考えています。
具体例
人件費のみが主なコスト
ITコンサルティングファームのビジネスモデルでは、人件費が最も重要なコストであり、その他の費用がほとんど発生しません。ビジネスモデルとしてあまりコストがかからない構造になっており、且つそのコストが人件費になるので、コンサルタントの人件費は、高い利益を生むための投資と考えられているため、その給与が高く設定されているのだと思います。
営業はコンサルタント自身が行う
ITコンサルティングファームでは、営業部門の担当者が案件を獲得するのではなく、案件を取ってくるところから受注するところまでをコンサルタント自身が行います。これは、コンサルタントが自分の専門分野について深く理解しているため、顧客に対して適切な提案ができるからです。コンサルタントが営業を担当することで、営業部門を設置する必要がなく、無駄なコストを削減できます。SIerでは、営業が案件を取ってきた後、SEが一緒に顧客に提案することが一般的でした。しかし、この方法では、営業が介在することで無駄なコストが発生してしまっていると考えます。ITコンサルでは、この点が徹底され、効率的にコストを削減することができています。
バックオフィスのタスクが効率化されている
コンサルティングファームでは、バックオフィスの機能が非常に効率化されています。例えば、チャットボットを使って日常的な質問やタスクを自動化したり、FAQを充実させて極力バックオフィス側に問い合わせが来ないような仕組みになっています。これにより、バックオフィスにかかる負担が少なくなり、人員が少なくて済み、コスト削減が実現されています。そうした効率化に関するメンテナンスが徹底されていて、SIerではそうしたところは後回しになっていたような気がします。
まとめ
ITコンサルティングファームの年収が高い理由は、単に高い単価で案件を獲得しているからではありません。営業やバックオフィスの業務が効率化され、無駄なコストが削減されていることが、年収が高くなる一因だと思いました。こうした情報が何かの参考になれば幸いです。
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