「よく同じシステム導入のプロジェクトにコンサルとSEがいるけど何が違うんだろう」「コンサルティングファームとSIerどちらが自分に合っているんだろう」
コンサルティングファームとSIerは、どちらもシステム導入のプロジェクトに参画しますが、その仕事の進め方には大きな違いがあります。私自身、SEからITコンサルに転職して感じたのは、同じシステム導入でも、求められる役割や取り組む課題がまったく異なるという点です。
この記事では、コンサルティングファームとSIerの違いを、実際の業務内容や求められるスキルを元に整理してみました。ITコンサルへの転職の検討の参考になれば幸いです。
※ちなみに、ITコンサルとSEの違いにフォーカスした記事は以下になります。
結論：コンサルティングファームとSIerではプロジェクトに参画する目的が違う
ITコンサルティングファームとSIerでは、システム導入のプロジェクトの位置づけが異なります。そのため、プロジェクトに参画する目的が異なります。コンサルティングファームは、あまりシステム導入のプロジェクトに偏らないようにしており、システム導入のプロジェクトは、他の戦略系や業務系のプロジェクトに比べると金額規模が大きくなります。システム導入のプロジェクトばかりになってしまうと一本足打法になってしまい、ファームとしてのバランスが悪くなってしまうので、あえてシステム導入のプロジェクトに入りすぎないようにしています。一方、SIerは、大規模なシステム導入プロジェクトを受注してなんぼなので、上流から下流までを一気通貫で担おうとします。下請けベンダーを使いながら、各工程のスキルを持った人材を集めて推進します。
この記事では、ITコンサルティングファームとSIerの違いを、以下の3つの通り整理しています。具体的には後述します。
| コンサルティングファーム | SIer | |
| 単価 | 高い | 低い |
| 役割 | 思考 | 実行 |
| 参画工程 | 上流 | 下流 |
各社のビジネスモデル
コンサルティングファームとSIerでは、ビジネスモデルが全く異なります。ITコンサルティングファームは、上流工程に強みを持ち、経営や業務の課題を解決するための戦略立案からシステム要件の定義を行い、全体的なプロジェクトをマネジメントする役割が多いです。一方、SIerは主に大規模なシステム導入プロジェクトを好み、それを一気通貫でシステム稼働まで実現するのが主な役割です。
コンサルティングファームとSIerの違い3選
単価
コンサルティングファームは、複雑な課題解決やその実現手段の検討等の顧客自身ではできないような役割を担当します。その代わりとして、高い報酬を得ます。そのため、コンサルタントの単価は高めに設定されています。
一方、SIerの単価はコンサルと比べると低いです。SIerはシステム開発の実行に特化しており、その工程まで進み、SIerでも実行可能になれば、コンサルからSIerに切り替えるのが一般的です。
求められる役割
コンサルティングファームが求められる役割は、主に戦略的な思考や企画力です。上流工程では、顧客の問題を深掘り、どのように解決すべきかを考え、最適なシステムやプロセスを提案します。また、PMOとしてSE側の提案が実現可能性や進捗・課題管理でも能動的にリスクの洗い出し等を行いプロジェクトの成功に責任を持ちます。
SIerでは、実際にシステム導入を実行することが求められます。要件定義からシステム導入、運用までを一貫して担当するため、技術的な知識や経験が求められ、システム開発における具体的な作業や管理能力が重要です。
参画する工程
コンサルティングファームが参画する工程は、主に戦略や業務改善の上流工程です。それがどのようにシステムに落とし込まれるか迄を担当します。また、SEがプロジェクトを進めるにあたって、PMOとしてのプロジェクトマネジメントも全工程で担当します。
一方、SIerが参画する工程は、主にシステム導入の実行部分です。コンサルが作成したRFPが出てきてから参画することが多いため、要件定義以降のシステム稼働までの工程を担当します。
まとめ
コンサルティングファームとSIerでは、同じシステム導入のプロジェクトに関わることがあっても、アプローチや役割が大きく異なります。もしこの記事が転職の参考になれば幸いです。
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