「このままSEとしてキャリアを終えてもよいのだろうか」、「最近あまり成長できていない気がする」
SEとしてのキャリアは非常に魅力的で、様々なプロジェクトを経験できる機会が多い職業です。しかし、30歳を過ぎると、次第に自分のキャリアパスに関して真剣に考える時期が訪れます。「このままジェネラリストとしてマネジメントに進むべきか、それともスペシャリストとして特定の分野で深堀りすべきか」といった悩みを抱えることがよくあります。
私自身もSEとして働きながら、この悩みを感じていました。特に、ジェネラリストとして幅広く業務をこなすのか、それとも特定の領域で深い専門知識を持つスペシャリストになるべきかを考えた結果、スペシャリストの道を進む方が自分に合っていると感じました。その理由と、どのようにしてその決断に至ったのかを、具体的なエピソードを交えてお話ししたいと思います。
この記事を読むことで、SEとしてのキャリアに悩んでいる方が、今後の方向性を見つける手助けになれば幸いです。
※ちなみに、私がSEこそITコンサルに転職すべきと考える理由は以下に記載しています。
結論：スペシャリストになるべきと感じた
私は30歳を過ぎたあたりから、常々、ジェネラリストとしてマネジメントを行うだけでは、自分の存在価値があるのか？と疑問を感じていました。SEとして、上流工程に関わりながらも、実際には下請けベンダーに多くの仕事を委託し、マネジメントや調整に回ることが多くなります。この中で、技術的なスキルを深める機会が少なく、このままあと30年以上もこの働き方でよいのだろうかと感じるようになったのです。
ジェネラリストだと存在価値を感じにくい
実際に顧客と要件定義や設計の結果をレビューしてもらうのは、下請けベンダーの役割で、SEとしての自分はその場でファシリテーションをするだけ。確かにファシリテーションも重要な役割ですが、それであればITコンサルのような会社の方がスキルが身につくと感じました。実際、同じプロジェクトにコンサルティングファームのメンバも入っていて、その人たちの方がよりマネジメントのスキルに特化していたと感じました。
存在価値を感じられない事例
例えば、以下のような場面で存在価値がないなと感じました。
要件定義、設計等の上流から下請けベンダーが顧客と議論して実施
SE時代は、要件定義や設計などの上流工程からのプロジェクトに参画したとしても、実際に顧客との打ち合わせや業務フローの説明などは、ほとんどが下請けベンダーにて実施していました。というのも、やはり具体的な業務は下請けベンダーの方が詳しく、SEはファシリテーターとして議論を進めるだけであり、本質的な議論に関わることが少なくなっていきました。このように、実際に技術的なスキルを活かせる場面が減っていくと、自分の存在価値を感じにくくなります。ファシリテーションの役割も重要ですが、技術的なスキルを持っていることが活かされないと感じる瞬間が多く、このままでは「この場にいる意味があるのか」と思えてしまうこともあります。
そもそもが、自分たちで実施できるものも下請けベンダーに流すビジネスモデル
SEの仕事の中で、「できるけどやらない」ということが多いと感じました。自分たちでも要件定義を行い、設計できるプロジェクトもあるのですが、それを下請けベンダーに任せるビジネスモデルになっているため、実際に手を動かすことが少なくなります。このため、SEとしての専門性を深める機会が減り、どんどんジェネラリストとして広い範囲での調整役に徹するようになります。下請けベンダーに流すことで、コスト削減や効率化を図ることができますが、その結果、SE自身が手を動かす機会が減り、スペシャリストとしての成長が止まり、存在価値を感じにくいと思うようになりました。
ITコンサルが企画し、SEが受け取り、下請けベンダーが開発する
一般的なシステム導入のプロジェクトでは、ITコンサルが顧客と企画や要件定義を行い、その内容をSEに渡し、SEがそれを基に下請けベンダーと一緒にプロジェクトを進めていく流れになります。この構図では、SEはただの管理者になっていまい、ITコンサルと下請けベンダーの中間的な存在として働くことになります。顧客と本質的な業務に関するやり取りを行うことは少なく、そのため存在価値があるのかという疑問を感じることが多かったです。
もし顧客がベンダーを管理できれば、そもそもSEとその下請けベンダーは不要になります。もっと顧客側のベンダー管理の能力を高めるか、自社内で内製できるようにするかといった顧客側の改革ができればSEのビジネスモデル自体が変わると思うのですが、まだそれができていないため、SEが代わりに実施していますが、あまり存在価値を感じにくいです。
まとめ
ITコンサルに転職して感じたことは、やはりスペシャリストとしてのスキルを深堀りする方が、自己実現やキャリアの満足度が高いということです。SEとしては、ジェネラリストとしてプロジェクト全体を管理する役割が増えますが、その分、自分の専門性が薄れていく感覚があります。そのため、自分のキャリアにおいて、何を重視したいかを見極めることが重要かと思います。今後のキャリアの参考になれば幸いです。
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