「これ以上どうやってTOEICの点数を伸ばせばいいんだろう」、「TOEICの点数が中々800点台後半から上がらないなあ」
勉強をしているのに、TOEICの点数が上がらないなあという人が多いと思います。TOEICのスコアを900点以上取るのは簡単なことではありません。しかし、計画的に努力し続けることができれば、必ず達成できる目標でもあります。これから紹介する勉強法は、私自身が実践して900点を達成した方法を元にした実践的なTOEIC勉強法です。
この記事を読んで、実際にどのように勉強を進めるべきか、どの教材を使うべきかがイメージできるようになり、TOEICのスコアアップの一助になれば幸いです。
ちなみに、TOEICの勉強は主に朝の時間で実施していました。以下記事で朝活の重要性を説いているのでもし気になれば覗いてみてください。

900点取るのは簡単ではない。地道な努力が必要
まず最初にお伝えしておきたいことは、TOEICで900点以上を取るためには、簡単な勉強法や短期間で達成できる方法は存在しないということです。900点以上のスコアを取るには、継続的な努力と計画的な勉強が欠かせません。私は1年以上かかりました。
というのも、私の感覚として、900点以上を達成するために必要なのは、小手先のテクニックではなく、ベースの英語力が必要になるからです。リスニングやリーディングにおける正確な理解力と速さの両方が必要になります。
TOEICとは
まず初めにTOEICとはどんな試験なのか、900点を超えるというのはどういうことなのかをお伝えしたいと思います。
TOEICはビジネス英語に特化した試験になっており、受験者は学生〜社会人までと幅広い層になっています。600点が基礎的な評価ラインで、730点以上でアピールしやすく、860点以上は上級者レベルという位置づけになっています。900点は言わずもがな最高レベルになります。
TOEICの試験概要
- 正式名称:Test of English for International Communication
- 目的:国際的なビジネスや日常生活における英語コミュニケーション能力を測る試験
- 主な形式:
- TOEIC Listening & Reading Test(L&R)
- 最も一般的。合計 990点満点。
- リスニング(100問/約45分)+リーディング(100問/75分)=約2時間。
- TOEIC Speaking & Writing Tests(S&W)
- 英語を「話す」「書く」力を測定。200点満点×2技能。
- 日本ではL&Rが圧倒的に受験者数が多い。
- TOEIC Listening & Reading Test(L&R)
TOEICは誰向けの試験なのか
- 社会人・学生問わず幅広い層が受験するが、特に以下の人に有効:
- 就活・転職でアピールしたい人
→ 多くの企業が採用や昇進でTOEICスコアを活用。 - ビジネスで英語を使う可能性がある人
→ グローバル企業や外資系勤務を目指す人。 - 英語学習の客観的な指標が欲しい人
→ 自分の英語レベルを数字で把握できる。 - 海外留学や資格要件で必要な人
→ 一部の大学や大学院、専門学校が出願条件に設定している。
- 就活・転職でアピールしたい人
TOEICスコア別のレベル目安(L&R)
| スコア帯 | 英語力の目安 | 活用シーン |
|---|---|---|
| 470点未満 | 基礎レベル。簡単な表現なら理解できるが、ビジネスでは難しい。 | 英語初級者の現状把握。 |
| 470〜600点 | 中級前半。日常的な会話や基本的な業務はある程度対応可能。 | 新卒の就活で最低限求められるライン。 |
| 600〜730点 | 中級。標準的なビジネス英語が理解できる。 | 多くの企業が評価する「安心ライン」。 |
| 730〜860点 | 上級。専門的な内容も理解でき、英語で業務を円滑に進められる。 | グローバル企業で通用する実力。 |
| 860点以上 | 最上級。細かなニュアンスまで理解でき、流暢に対応可能。 | 外資系や国際的な仕事で高評価。 |
TOEICパート別出題概要
Listening(約45分/100問)
Part1:写真描写問題(6問)
- 形式:1枚の写真を見て、4つの英文を聞き、最も正しい描写を選ぶ。
- 特徴:比較的易しい。人物・物・動作・状況を正しく表しているかがポイント。
- 攻略の鍵:名詞・動作動詞・前置詞の聞き取り。
Part2:応答問題(25問)
- 形式:1つの質問または発言が流れ、3つの応答から正しいものを選ぶ。
- 特徴:短いが、トリッキーな引っかけあり。
- 攻略の鍵:疑問詞(Who, When, Where, Why, How)を聞き逃さない。Yes/Noで答えないケースも多い。
Part3:会話問題(39問)
- 形式:2人または3人の会話を聞き、設問(各会話3問)に答える。
- 特徴:会話の流れ・意図を理解する必要あり。図表問題も出題される。
- 攻略の鍵:
- 先に設問を読んで「何を聞けばいいか」を把握。
- 会話の目的や話者の関係性に注目。
Part4:説明文問題(30問)
- 形式:アナウンス・ニュース・広告・留守電メッセージなどを聞き、設問(各説明に3問)に答える。
- 特徴:ビジネスシーン中心。図表問題も出る。
- 攻略の鍵:
- スピーカーの目的をつかむ。
- 数字・日付・場所など具体情報を聞き逃さない。
Reading(約75分/100問)
Part5:短文穴埋め問題(30問)
- 形式:文法・語彙を問う4択問題。1文の一部が空欄になっている。
- 特徴:短時間でサクサク解く必要あり。
- 攻略の鍵:品詞判断(名詞・形容詞など)とコロケーション(語の組み合わせ)。
Part6:長文穴埋め問題(16問)
- 形式:長文(メール・案内文など)の空欄を埋める。
- 特徴:文法+文脈理解が必要。文全体を読んで整合性を確認する問題も出る。
- 攻略の鍵:前後の文脈をしっかり読み、論理の流れを意識。
Part7:読解問題(54問)
- 形式:
- シングルパッセージ(29問程度):1つの文書を読んで設問に答える。
- マルチパッセージ(25問程度):2〜3つの関連文書(例:メール+広告+スケジュール)を組み合わせた問題。
- 特徴:分量が多く、時間配分が最大の課題。
- 攻略の鍵:
- 設問を先に読んで「探し読み」する。
- 情報の場所を特定して効率的に解答。
TOEIC900点取得のための勉強法
ここからは900点を取るために私が実施した勉強方法を紹介します。近道はなく地道に英語スキルを伸ばす方法なのですがこれが最短で効率の良い勉強法だと考えています。
英語に触れる時間を多くする
900点以上にするために最も重要なのは、英語に触れる時間を増やすことです。900点を取るとなると、ベースの英語力を伸ばす必要があるため、リスニングやリーディングを鍛えるためには、まず英語に多く触れることが前提となります。
例えば、毎日30分以上の英語音声を聴くことや、短い時間でも毎日英文を読むことで、着実にスキルが身についていきます。英語に触れる時間が長ければ長いほど、スコアアップの可能性が高まります。
具体例
ここからは、具体的に私が実践した勉強法をいくつか紹介します。
公式問題集を3周する:問題慣れ
問題集は、公式問題集しか使わないためシンプルな勉強法ということです。公式問題集は、TOEICを作成している団体が出しているものなので、問題の精度が非常に高いです。せっかく問題を解くのであれば、より本番に近い難易度のものに慣れておくべきです。
3周する理由は、①スピードに慣れること、②英語力の向上、の2つが目的です。私は以下のように3周しました。
- 1周目: 時間を測って、本番さながらにリスニング100問、リーディング100問を解きます。これにより、時間内に解けなかった部分(=今の自分の実力)がわかります。この時点ではまだ丸つけはしません。
- 2周目: どれだけ時間がかかってもよいので、時間を測らずに十分に考えて解きます。これにより、自分が不足している知識が何かが分かります。2周目が解き終わった後に、1周目、2周目ともに丸つけをします。1周目でなぜ間違えたのか、時間をかけたら解けた問題なのかを2周目の丸つけもベースに間違えた理由を検討します。次は解けるように理解することがこの公式問題集の勉強の中で最も大切です。
- 3周目: 1~2ヶ月後に再度時間を測って実施。1周目と点数を比較し、どれだけスキルが向上したかを確認します。
この3周セットをまた1,2年後にも繰り返し実施して、TOEICのテストに完全に慣れることを目指します。公式問題集はたくさん出版されているので、過去のものも含めて購入して何度も解き直すとよいです。
単語帳を3周する:語彙力UP
TOEICのスコアアップに欠かせないのは、語彙力です。私は1日に10単語を覚えることを目標にしました。重要なのは、覚えた単語を翌日、翌々日にも復習して定着させることです。私の感覚では、3周すれば単語の定着率が高いと考えています。
私が使っていたおすすめの単語帳は以下です。コンパクトで持ち運びしやすく、電車でも勉強できます。
TED:リスニングUP
リスニング力を向上させるためには、日常的に英語を聞く習慣をつけることが重要です。私が最もおすすめする教材がTEDです。TEDの動画は無料でアクセスでき、世界中のスピーカーによる質の高い講演を聴くことができるため、リスニング力を高めるのに非常に役立ちます。
1日10分程度、好きなテーマのTEDスピーチを聴き、リスニング力を鍛えました。最初はスクリプトを見ながら聴くことから始め、徐々にスクリプトなしでも理解できるように努力しました。
Polyglots:リーディングUP
リーディング力を鍛えるためには、自分が興味のあるテーマで英文を読むことが重要です。私はPolyglotsというアプリを使って、毎日10分英文を読むことを習慣にしました。自分が好きなジャンルの英文を選べるため、楽しくリーディングを続けることができました。
アプリ内でリーディング時間を記録できるので、進捗を把握しながら続けることができます。最初は簡単な記事から始め、徐々にレベルを上げていくことで、自然にリーディング力が向上しました。
オンライン英会話(余裕がある人は)
以下記事に記載の通り、オンライン英会話が英語力を伸ばす最も効率的な学習方法だと思っています。
TOEIC900点取れるようになっても英語が話せないとつまらないので、オンライン英会話をTOEICの勉強と並行して行うことをお勧めします。
ハードルが高くなることは確かなのですが、英語が身につく感覚を味わえると思います。また、これにより、リーディング、リスニング共に大きく伸ばすことが可能です。もしオンライン英会話を毎日実施するのであれば、TEDやPolyplotsは不要です。

まとめ
TOEICで900点以上を目指すためには、地道に努力し、反復練習と実践的な勉強法が必要です。TOEICは勉強でスコアアップができる試験です。TOEICのスコアアップの参考になれば幸いです。




コメント